ジャパニーズウイスキー
ジャパニーズウイスキーの定義は、近年の世界的な人気と混乱を背景に明確化されるようになりました。2021年、日本洋酒酒造組合は自主基準として「ジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」を策定しました。現在ではまだ自主基準に過ぎませんが、この基準によれば、「ジャパニーズウイスキー」と名乗るためには、以下の条件を満たす必要があります。
まず原材料に麦芽を含むことが必須であり、仕込みから発酵、蒸溜までを日本国内で行う必要があります。さらに、蒸溜された原酒は日本国内で木製樽に詰められ、容量700リットル以下の状態で最低3年以上熟成されなければなりません。また、ボトリング(瓶詰め)も日本国内で行うことが求められています。香味の調整は認められていますが、着色にはスピリッツ業界で一般的に使われるカラメルのみが許容されています。
この定義は法律ではなく業界団体によるガイドラインですが、信頼性や品質を示す基準として重要視されています。過去には、海外から輸入した原酒を日本でブレンド・瓶詰めしただけの製品も「ジャパニーズウイスキー」として販売されていたことがあり、これが混乱を招いていました。そのため、現在は消費者が本物のジャパニーズウイスキーを見分けられるよう、透明性と誠実さがより重視されるようになっています。
