ピート

ウイスキーの香りや風味に深みを加える要素のひとつとして、「スモーキーさ」があります。この独特の風味を生み出すのが「ピート(peat)」と呼ばれる素材です。ピートとは、日本語で「泥炭(でいたん)」と呼ばれるもので、湿地帯や寒冷地において、植物が長い年月をかけて分解されずに堆積した有機物の層です。見た目は湿った泥のようで、乾燥させると燃料として使用することができます。
ウイスキー造りにおいてピートが使われるのは、発芽させた大麦(モルト)を乾燥させる工程です。この乾燥時にピートを燃やし、その煙によって麦芽に独特の香りが付与されます。この煙に含まれる「フェノール類」という化学物質が、いわゆるスモーキーな香りや風味の正体です。
この風味は焚き火や燻製、ヨード(消毒液)や海藻のような香りとして感じられることがあり、特にスモーキーなウイスキーが好まれるのは、スコットランドのアイラ島で造られるウイスキーに多く見られます。代表的な銘柄には「ラフロイグ」「アードベッグ」「ラガヴーリン」などがあります。
ピートの使用量や燃やし方、地域によってスモーキーさの強さや香りの種類が異なり、味わいにも個性が出ます。なお、ピートを使用してスモーキーな風味を持つウイスキーは「ピーテッド(Peated)」、使用せず穏やかな風味を持つウイスキーは「ノンピーテッド(Unpeated)」と呼ばれます。
このように、ピートはウイスキーに深みと個性を与える重要な要素の一つであり、スモーキーさを楽しむためには、その成り立ちや使われ方を知っておくと、より味わい深くウイスキーを楽しむことができます。

ピート

関連商品

アードベッグ 10年 700ml
アードベッグ 10年 700ml

アードベッグ 10年 700ml

5,935
商品の詳細はこちら
ラフロイグ 10年 750ml
ラフロイグ 10年 750ml

ラフロイグ 10年 750ml

7,332
商品の詳細はこちら